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武道通信 二十一ノ巻


【対談】 田中光四郎 木村三浩
イラク戦争  我、かく戦えり付・人間の盾手記

特集 総合格闘技と武道路上の有事を想念せよ! 其ノ一 大道塾 東 孝の軌跡 格闘空手から空道へ

付随企画 武士も食わねば……現代武道家<俸禄>考


◆編集長談言  前田日明  武士道はダンディズム

特集*興隆極めるプロ総合格闘技の中にある歪さを見た。その因は何かと武道通信への進化の生物化石・格闘技通信の源流をたどる旅に出た。その第一人目の訪ね人・東 孝 ――杉山頴男
其ノ二 大道塾体験レポート 欠落感とフルコンタクト ――小松直之
其ノ三 格闘技と武道―その決定的違い ――吉峯康雄
其ノ四 生命を賭ける場 ――日野 晃 
其ノ五 柔道憂国士集まれ! 実践柔道レポート ――淵 祐介
 ▲「武士も食わねば……」
其ノ一 スポーツ道場の経理戦略 何がコツか? ――兵頭二十八
其ノ二 武士と扶持 代官と現代官僚――嘉村 孝
其ノ三 最後の剣聖・榊原謙吉 
糊口を凌いだ撃剣会 ――佐々木 建
其ノ四 武家・武道家の俸禄 ――松下大圭
☆「床几」も総合武道をめざす“武人”集結

 躰全道連盟宗家・廣木道心/ 荒川古武道研究会・永野勝/竹内流古武道 ・米原敬太郎/総合空手道神武・玉虫亨/護身武道拳正道・土屋洋中/養神館合気道龍・安藤毎夫/総合武道サークル・小川寛大/誠武館師範・京一輔/中國武術義龍會・廣瀬義龍/中央大学新体道棒術部・小泉貴一朗(以上十名:原稿到着順)


【対談】 田中光四郎 木村三浩         イラク戦争を戦った二人の日本人
イラク戦争は「終わりの始め」――アメリカは必ず負ける

<対談、ほんのさわり>

田中 人間の盾は本意ではありません。私はイラクの人たちと一緒に銃をとりアメリカ軍を戦うために行ったのです。アメリカの国家テロは許せないという気持から志願兵になろうと思いましてね。でも、イラク軍に入れてくれなかった。そのわけはモスレムでない、要はアラブ系でないということ。仏教徒でそれにアラビア語ができないからと。
 私はイラク軍に志願するつもりで、変電所に入ったのです。ここは最初、六人いた。みな兵役志願で、その内、志願兵として四人取った。モロッコ人、シリア人、そして二人のエジプト。非アラブ系の私と、もう一人の退役軍人のエジプト人は歳だからと外された。
 でも、いざ戦争というとき四人は戻ってきましたよ。私たちをエントリーしたのは外国人が義勇兵として参加したぞ、というプロパカンダ用のテレビ撮影以外の何もでもなかったのです。私は1ヵ月は戦えるように62キロまで絞っていた。あれは汚い。それで人間の盾として残ったのです。
木村 それはしかたがないですよ。イラクには軍隊もありますが、管理するほうの部署に余裕がないのですよ。ところで、人間の盾の生活はどんな様子でしたか。

木村 大国アメリカに狙われたイラクの立場からすれば世界を味方につけなければならない。志願兵をプロパガンダにするのはやむを得ないと思いますよ。
 二月十九日から二十一日まで反侵略の国際大会があり、それに出たあと、僕はある理由があって残ったのです。友人であるバース党員から、家族たちを激励するよう頼まれたのです。イラクに関わりのある人間が励ますことで、志気が上がると考えたのでしょう。それもプロパガンダといえばいえなくもないですが、南部での自爆攻撃も、「世界の人がイラクを支援してくれている、これはジハードだ」という確信へつながっていたかも知れない。
 その友人は「自分は死ぬかも知れない。イラクはアメリカに占領されるだろう。だが、木村は十二年にわたってイラクが不当な経済制裁を受けてきたことを知っている数少ない外国人だ。だから日本へ帰って、我々の戦いを世界に伝えてくれ、そしてイラク支援を続けてほしい」といわれ、三月二日にイラクを出たわけです。その人は死んでいるかもしれません。いまもって消息はわからない。
それともう一人の兄弟分の人物は、アメリカが「戦犯」だという五十五人のリストに入っています。大東亜戦争のときと同じで、戦勝国が敗戦国の主要人物を戦犯と決めつける。アメリカのイラク攻撃は「侵略戦争」以外の何物でもないです。このことを根本的に抑えておかなくてはならないと僕は思う。
田中 そのとおりです。それに抗議するために私はイラクへ戦いに行ったわけです。

田中光四郎、その思想と武術

其ノ一★大地社 水谷浩樹代表に聞く――古賀清志先師の五・一五決起の精神を継いで
其ノ二★不二流体術 奈良彰久幹事師範に聞く 
不二流体術は剣の理合


イラクの次はイラン――アメリカはフセインに勝っても、シーア派の精神に勝てるのか ――S・パリッシュ

連載

松岡正剛 「越境としての武士道」中)         吉田松陰の武士道

山本伊佐夫  鉄砲は卑怯な術か武道か
      
 ―嘘と誤解の鉄砲史観にもの申す 
第三話 歴史時代の鉄砲、前装銃 とはどんなものか(中)

暴論妄説(鹿島外天)「何が危機管理じゃ」