■あとを頼む
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「陸軍准尉田形竹尾は第二特別攻撃隊長を命ずる 出撃の時刻は後刻示す」 特攻命令下る 【田形 → これだけの文面の命令が、私の二十九年間の人生より長く感じた。 一瞬、走馬灯のごとく様々な思いが浮かび、数々の人との様々な思いが浮かび、数々の人との別れの場面を思い出した。ハッと我に返ったとき、逆流していた血が正常になっていた。そしてなぜか、エネルギーが充満するとうに全身がポカポカしてきた。しばらくして鏡を見ると目が目が澄み切っていて頬が笑っていた。「あ〜、これで私も教え子たちと同じになった」】
航空特別攻撃戦死者四六一五人の気持ちにようやく到達した瞬間 その翌日 終戦 「生かされる」ことになる
【田形 → 私に課せられた指名とは特攻隊員の遺言をいかにして伝えるかであった。真髄といえる遺言は「後をたのむ」だけである。遺言は書面等で多く残されているが肉親や近親者に宛てられたもので、日本に宛てた遺言は「あとを頼む」にずべて含まれてる。生き残った私が何を頼まれたか、なぜ彼ら特攻隊員が死んだか、その精神が目的とすることが何であったかを一生かかってでも解明しなければならない。】
−−−−−−★−−−−−− 敗戦 その翌年 生まれた敗戦後少年 「あとを頼む」と頼まれたわけでないが 祖母の 「一対一なら日本の兵隊さん 負けなかった」 その一言に 拳ほどの石に “特攻隊”の小石を投げつけた 何度も何度も 「あとを頼む」と頼まれたわけでないが
2024/11/25(月) |
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